Archive for September 2007

15 September

日和田真理『森へ行く日』



 表現する行為は、宇宙を感じる行為と言い換えてもよいと思う。自分が生きている時間や空間が、密度の濃いものとして、感じられること。そして、生きていることの証明として、何かが生み出され、何かが失われてゆく。この生成と消失の繰り返しが、私たちの精神をより新鮮に保つための、力となり、生命力となっている。
 日和田真理の詩集『森へ行く日』を読みながら、そんなことを考えていた。それほど、この詩集は宇宙を感じさせるし、生命を感じさせる。言葉が、とても新鮮に響いて来る。これは、有るものばかりを表現しているのではなく、失ったものを多く表現しているから感じられるのだと思う。この否定的表現を含めた喪失感がとてもさわやかな詩集である。

[Read more of this post]
12:16:33 | tansin | No comments | TrackBacks

07 September

白井秀『はぐれけり』




 平成19年7月19日発行の著者初の詩集である。著者は、詩誌『詩想』の同人として詩を発表してきたようだ。『詩想』は、20年以上も前から仙台で発行されている歴史の永い詩誌である。故に、一つひとつの作品の発表年月が記載されていないので、断言はできないが、かなり長い期間の間に書き続けられた時間の作品と思われる(ただし、白井氏が創設メンバーなのかどうかはわからない。)。


[Read more of this post]
17:27:12 | tansin | 2 comments | TrackBacks