Complete text -- "この場所 ici 第4号"

09 January

この場所 ici 第4号



 詩誌『この場所 ici 』は、北海道から東京までの同人14名で発行されています。どちらかと言えば、目に見える言葉達が連なります。その分、読みやすい詩が多いです。自分の立ち位置をしっかりと持った方々だと思います。詩は、文字により表現されますが、言葉は生き物です。目に見えない呼吸をしています。その息づかいが感じられる作品に出会いたいと、自分はいつも思っています。

 第4号の全14作品の中では、佐々木洋一氏の「別離」が生き物のように感じることができました。けっして文字では表現されない、すぐに目の前で手づかみできそうな心の風景が見えてきます。

       (前略)

   別離はとまどえない

   したした したした したした した

   たしたし たしたし たし た

   雨が切れる

   地上の音が跡切れる

   紫陽花はいまだとばかり一斉にみずみずしさを誇張する

   とまどうように とまどえない

       (後略)

          「別離」中間部分

 「地上の音が跡切れる」という表現は、なんと潔いのでしょうか。この言葉だけで「別離」ということがどういうことなのか、言い表していると言っても過言ではない気がします。
16:14:32 | tansin | | TrackBacks
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