Complete text -- "詩誌『霧笛』第2期第14号"

15 July

詩誌『霧笛』第2期第14号



 iPhone 3GをiPhone3GSに機種交換しようか、それとも塩漬けしようか、インターネットで情報を収集しながら悩んでいると、詩誌『霧笛』第2期第14号が届きました。今号から編集はまた千田氏に戻ったようです。それに、霧笛の会として、合同詩集の計画を立てているようで、活発に活動している。羨ましい限りです。霧笛に掲載されている詩は、霧笛の個性がなんとなくあるような気がします。それは何かなと、しばらく考えていました。結論ではありませんが、なんとなく思うことは、言葉にリズムがあるということです。良い意味で、言葉の意味に、あまり執着していないということです。思ったことを、そのまま言葉として口ずさむという感じです。西条健一氏の「ひと雨ごとに」、「棚田」や小野寺正典氏の「連詩的五行歌「橘曙覧的幸福論」」など、流れるように読める言葉達に魅かれるものがありました。
 及川良子氏は詩2篇を掲載してます。詩「プラタナス」はおおいなるものに出会った瞬間をあまりにも美しく表現しています。千田持基嗣氏の「ふることのふみ?」は、何やら原始宗教に通じるようなおおらかな表現と自然に沸き起こる大事な存在の豊かさを感じさせてくれます。
 西条健一氏の作品「ひと雨ごとに」の第1連と小野寺正典氏の作品「連詩的五行歌「橘曙覧的幸福論」」の最後の2連を引用させていただきます。

   青空を雲がおおいはじめ
   やがて霧雨がしとしとと降りだした
   夜になると強い雨となり
   屋根のトタンを叩きつけるように降った
   久し振りの雨だった
   乾いた野や山は
   水の恵みで息づき
   農作業をしていた人々には
   ひとときの休息となった

          詩「ひと雨ごとに」第1連


   心が穏やかになるのは
   日溜まりの端っこで
   カセットデッキから流れる
   音楽を聴きながら
   本を手にしている時

   心が穏やかになるのは
   雨上がりの後の
   木々の緑に囲まれて
   そよぐ風に向かって
   深呼吸をする時

          詩「連詩的五行歌「橘曙覧的幸福論」」最終2連

14:46:12 | tansin | | TrackBacks
Comments

千田基嗣 wrote:

 ようやく読めました。
 というか、2日続けてチャレンジしてつながらず、それ以来、ちょっと間をおいて来てみたのですがね。
 霧笛は、合評的なことは一切ないのですが、共に集まり、同じ誌面に続けて載せているうちに、なんらかの共同性は生まれてしまうのかもしれませんね。
07/23/09 23:23:45

tansin wrote:

 千田さんへ
 プロバイダがあまりしっかりしていないので、繋がりが悪いですよね。自分もこのページに来るのに何時間もかかったりします。
 『霧笛』は、書き手が多いってことが一番良いですね。それも、いろんなことを題材にして皆さん書いておられます。詩は本来リズムがあるものですから、どんな詩でもリズムはあるのでしょうが、『霧笛』の方の書かれる詩は多くはリズムとともにメロディーも聞こえてきそうなんですね。不思議ですね。
07/25/09 16:45:49
Add Comments
:

:

トラックバック