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10 June

詩誌『霧笛』第2期第22号





 発行が、平成24年2月15日だから、約4ヶ月ろくに読まずに放っておいたことになる。今、まさぐるように、それでいて気持ちよく、読んでいる。震災後の発行としては、2号目というが、まだまだ、当たり前のことだが、震災に関する詩やエッセイが多い。それが、偽語でないと素直に感じてしまうところが、この気仙沼から這い出ている樹々達の言の葉だということだろうか、それとも自分の先入観だろうか。辺見庸の詩集『眼の海』が頭の中でぐるぐると廻る中で、瀬戸内の穏やかな海に名指しがたい違和を感じながら旅をしていたのだが、その後にこの詩誌『霧笛』第2期第22号を読んで、すっと気仙沼の海が心の中に入ってくるように思えた。それは、辺見庸の眼に映る海とも違い、とても穏やかだが、とても悲哀に満ちている生活者としての海のような気がしている。そこには、無垢な生活が根付いている。

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06:34:44 | tansin | 2 comments | TrackBacks