20 March

個人誌『風都市』第30号



 瀬崎氏の詩を読むと、いつも不思議な感覚に陥ります。何かが掴めそうで、掴めない。目の前に確かにあるのに、意識を切り替えて、その実体を自分なりに明らかにしようとすると、消えて無くなる。そんなもどかしい気持ちにさせられます。それは、瀬崎氏が、感覚で書いていないからだと思います。自分の作品を作品たらしめるための、もう一人の自分が、自分を見ている風景を常に持っているからだと思います。

 

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08 March

千田基嗣詩集『湾III』



 気仙沼在住の詩人・千田基嗣氏が第4詩集『湾III』(発行者:気仙沼自由芸術派 千田基嗣)を上梓しました。千田氏が今回詩集としてこれまで発表してきた詩をまとめたのは,何かの区切りをつけようということよりも,ある程度彼が編集を担当している詩誌『霧笛』に発表したものを中心とした詩編群が一つの形を成したということなのだろうと理解しました。それは,気仙沼の地形をひとまわりなぞったということに近い感覚なのかもしれません。


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24 January

金子拓展 project N 63 (於:2016年東京オペラシティアートギャラリー)


 詩詩『回生』として私が継続開催している「無意味な意味の尾形亀之助読書会」の良き理解者であり、協力者である金子忠政氏のご子息金子拓さんの個展を東京オペラシティアートギャラリーで見てきました。私にとって、金子拓さんの父である金子忠政氏については、ここ数年の間で量的にも、読み込む集中度においても、最も多く、そして高く接している詩人です。そのことは、私なりの理解が強固に確立している詩人であるとうことが言えます。それ故に、私にとっては、金子拓さんの絵画作品群を見るに当たって、この歪な距離がまず、気になりました。そして、なるべく先入観を振り払って見ることに集中したつもりでした。しかし、それは所詮、無理なことだと、見終わってしまった今、思っています。

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23 December

詩誌『霧笛』第2期第36号



 詩誌『霧笛』第2期第36号が届きました。今号は,震災の特集号ということのようです。どうして震災から4年を経過した、「今」、東日本大震災に特化した作品を特集するのか。その必要性はどこにあるのか。そして、その差し迫った理由について納得させるものがあるのか。余計なことなのですが、その二つがとても気になりました。


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21 December

詩誌『ササヤンカの村』第24号



 佐々木洋一氏の詩の真骨頂は、誰でもが見えることを、これでもかというほど徹底的に自分の言葉で表現することではなかと、「ふと」思ってみました。それは、人の予想や常識を裏切る行為(あるいは過程)と言っても良いかも知れません。例えば、

   垣根の傍らで鶏が鳴いている
   鳴いている
   そこにも朝はやってきて
   身をのり出ししきりに鳴いている

             「鶏」後半部分



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