Archive for 19 July 2014

19 July

やまうちあつし詩集『may sing』



 いったい、彼は誰に向って言葉を紡いでいるのだろうか。例えば、この詩集の冒頭の詩「迷信」、



   まよなかにめざめて
   カーテンを開けると
   青白い馬が
   庭をうろついている

      (後略)

             詩「迷信」冒頭4行


 一見、独り言のようでもあるが、確実にそれは走る馬でもなく、子馬でもなく、天を翔る馬でもない。それは青白い馬でなければならない。そういう必然が存在するということを、心の中に秘めるのではなく、敢えて言葉にして書き記す。あたかも誰かに縋るようなような言葉で、である。いや、そんなふうには読めやしない、と思われる方がほとんどなのかもしれない。しかし、

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16:22:29 | tansin | 3 comments | TrackBacks