Archive for July 2014
19 July
やまうちあつし詩集『may sing』
いったい、彼は誰に向って言葉を紡いでいるのだろうか。例えば、この詩集の冒頭の詩「迷信」、
まよなかにめざめて
カーテンを開けると
青白い馬が
庭をうろついている
(後略)
詩「迷信」冒頭4行
一見、独り言のようでもあるが、確実にそれは走る馬でもなく、子馬でもなく、天を翔る馬でもない。それは青白い馬でなければならない。そういう必然が存在するということを、心の中に秘めるのではなく、敢えて言葉にして書き記す。あたかも誰かに縋るようなような言葉で、である。いや、そんなふうには読めやしない、と思われる方がほとんどなのかもしれない。しかし、
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tansin |
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13 July
詩誌『霧笛』第2期第30号
発売からまもなくして私に送られてきましたが、雑事追われ、暫く本の山に隠れて見えなくなっていた詩誌『霧笛』第2期第30号を今日、取りだして読んでいます。
この号の<編集後期>において編集の千田氏は、「今になって、どんどん、と言っていいくらいに同人が増えている。ひとつには、震災の後、語りたい思いがようやく顕在化してきたということもあるのかもしれない。」と書いています。これは、詩の書き手の一人ひとりの作品を丁寧に読んでみなければ、どういうことなのかわからないことなのかと思うのですが、詩は書くものではなく、語るもの、と暗に千田氏は言おうとしているのだろうかと思わずにはいられない言葉だと思いました。
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15:43:09 |
tansin |
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