Archive for July 2012
29 July
季刊『ココア共和国』vol.10
きっちりと、年4回の発行を守っている。梅雨明けにままだ遠い、曇天の日に、鮮やかなクリーム色の表紙に、アップリケのような画が貼られて、とても気持ちのよい詩誌が届きました。
主宰の秋亜綺羅氏の行為については、vol.8の紹介文で書いたので改めて、書きませんが、60歳を過ぎても、若々しい感性を持っており、そのみずみずしさに、改めて感服です。で、作品は、石井萌葉の『ワルツのために』と望月苑巳の『テーブルの下の二十一世紀』が飛び抜けてよかった。
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07 July
金子忠政詩集『蛙の域、その先』
ここに書かれている言葉達は、沈黙する言葉ではけしてない。白日の下に曝された強烈な光を帯びた物達である。しかし、壇上に立って輝きを背にして、暗い影を従え、雄弁に語ろうとは、けっしてしないし。さらに、本心を共通言語で語ろうとはしない。その上さらに言えば、作者は口を膨らまし、肉を恥骨から無理矢理に引き裂く音や、腐乱するのど仏を掬い取る所作に近い声を響かせている。それは、日本語でああることの必然性を失ってしまうことを厭わない。
( 獰猛な魚の牙
私の糸切り歯よ
見えない雨に打たれるなら
チラチラと火を吐け! )
詩「圧倒的な無音を前に」導入部分
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tansin |
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