Archive for 12 July 2008

12 July

石川准『人はなぜ認められたいのか』


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 社会学者石川准が1999年に出版した書籍です。著者は、自身が全盲と言う大きな障害を持っているわけですが、障害者の視点から社会の事象を考えるということはしていません。どんな人間にも障害があり、全盲と言う障害もその一つというだけで、なんら特別視するものではないという障害を平準化した意識を持っています。それは、自分が高校時代の中途失明という困難を克服し、全盲で始めて東京大学に入学した学生となったことでもわかるように、大きな障害を克服してきた経験に裏打ちされたとても強固なものです。そして、そのことが人間社会を新鮮な視点で切り取り、意味付けをしてゆきます。繰り返しますが、障害者だからどうということではなく、同じ個性を持った人間として、人間はどうしてそんな行動をとるのか、とても鋭い視点で語ります。
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10:40:06 | tansin | No comments | TrackBacks